セミリタイアでは現実から抜け出せない
私にとってセミリタイアというのは、本編のストーリーを進めるのを放棄してミニゲームやアイテム集めに熱中するような感じだなと最近思う 全クリを諦めている だがゲームそのものから抜け出せるわけでもない たまに本編の方が顔を出してきて憂鬱な気分にもなる このような遊びを見出す能力が衰えたら、あるいは単純に飽きてしまったら、本編を進めることになるのだろう そのときには本編の方はもう詰んでいるかもしれないけれど
かなり前に読んだミラン・クンデラ「存在の耐えられない軽さ」の主人公についての語りを思い出した 彼(主人公)は仕事や結婚が本質だと思いこんで励んでいるが、実は彼という人間にとって人生の本質は部屋で一人で本を読むことなのに本人はそれを理解できていない、という語り 記憶はあいまいであるがこんな一節だったと思う
私も本を読むのが楽しいがその時間が自分にとって人生の本質だとは言い切れない 本質の方は放棄してしまっているという気がする 本質なんてそもそもないというニヒリズムの立場にも立てない