ソボジロ

セミリタイア後の日常考

粘らないでよかったと思うことばかり

蒲田で仕事があった帰りに多摩川線に乗ると民家の植木が線路に倒れたらしく出発を見合わせていた よく乗る山手線とか京王線であれば復旧も早い しかし多摩川線は弱小路線である 対応ものんびりとしたものだった 私は席に座れていたので動き出すまで本を読んでいるつもりだった 車内アナウンスはやる気のない学生アルバイトがやっているような適当さで細切れに届く情報を整理せずにそのまま喋っていた

「えー、障害物があるとの情報で安全確認を…えー、障害物は、民家の樹です…線路に倒れているようで、えー…線路とそして架線にもかかっているようです 架線というのは、えー、電車に電力を配電するためにあるものです…出発時間は未定です、長時間の停車となります」

このアナウンスが良くていちいちイヤホンを外して聞き入ってしまった 普通、公共の情報はバカでも分かるように整理されてしまう 整理された情報は退屈なので聞き流してしまう 誰にも聞かせないために整理しているように思えることもある

動かない車両で読んでいたのは後藤明生だ 数年前にハマった 話が行ったり来たりを繰り返す非常に冗長な文体で面白いのだが長い時間は読めない

15分くらい止まった電車で読んでいたが疲れていたので眠くなってきて寝てしまおうか迷って結局降りて池上線に乗り換えて帰った 最寄り駅に着いたとき多摩川線はまだ止まっていた 多摩川線が動き出すまで粘って乗っていないでよかった 人生粘ってよかったことなんてほとんどない

 

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